新規投稿日:2023年5月14日

 

有名なローソク足パターンである酒田五法「三川(さんせん)」で利益が出るのか検証しました。

AI開発にも使用されるプログラム言語Pythonと、金融取引のテクニカル分析をしてくれるライブラリー、TA-Libを活用しています。

※注意事項

一般的に認知されている酒田五法の「三川(さんせん)」TA-Libが判断する「三川(さんせん)」大きな違いがあります。

酒田五法の「三川(さんせん)」の検証では無くTA-Libが判断する「三川(さんせん)」の検証をしています。

よって、この記事のタイトルに「番外編」と付けました。

 

ローソク足パターン 「三川(さんせん)」 とは

 

ローソク足パターン 「三川(さんせん)」 とはどのようなものでしょうか。

 

三川(さんせん)は3本のローソク足で判定されます。

安値更新を3回アタックしても突破できなかった場合に株価の底と判定します。

 

今回の検証では、TA-Libが判断する「三川(さんせん)」パターン発生を売買シグナルとして捉えます。

 

TA-Libが判断する「三川(さんせん)」の例

  

 

Ta-Libとは

 

Ta-Libは、株価(FX、仮想通貨等を含む)の値動きから将来の値動きを予想する「テクニカル指標」を200以上計算できるライブラリです。

高速で分析出来るのが特徴で、ローソク足のパターン分析にも対応しています。

 

検証の条件

 

ローソク足:日足

 

諸経費:取引手数料や税金は考慮しない

 

対象銘柄:日経平均株価構成225銘柄

 

シグナル:TA-Libが判断する「三川(さんせん)」シグナル発生

 

エントリー:TA-Libが判断する「三川(さんせん)」シグナル発生の翌日の始値でエントリー

 

決済(エグジット):当日、1日~5日及び10日後

※決済のタイミング別に損益を算出しています。

 

建玉数:10

※複数銘柄に対する検証作業であることに加え、株価ローソク足チャートと損益累積チャートを比較した際に、チャート画像への収まり(見え方)が良かった為10株を基本にしています。

※実際の取引可能株数と異なる場合がありますが、損益の推移を示す上で問題ないと考えています。

 

検証期間:銘柄により変わるが10年程度

 

注意事項

 

◇TA-Libのシグナル通りに損益を算出しています。

TA-Libのローソク足パターン検出及び売買のタイミングは、私の判断と異なる点がいくつかありますが、修正はしていません。

 

◇検証の正確性は保証していません。

株価データーや分析に使用しているライブラリーはインターネット上から取得しています。

よって、正確性を保証するものではありません。

 

損益率ランキング トップ5

 

損益率ランキング トップ5 はこちらです。

※各銘柄毎に累計損益(単位:円)を単純平均したものを基準に並べ替えています。(勝率も表示させました)

 

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※各銘柄毎に累計損益(単位:円)を単純平均したものを基準に並べ替えています。(勝率も表示させました)

 

損益率ランキング トップ3 損益シミュレート詳細

 

損益シミュレートの条件(抜粋)

・建玉数:10

※実際の取引可能株数と異なる場合がありますが、損益の推移を示す上で問題ないと考えています。

・検証期間:銘柄により変わりますが10年程度

・損益率ランキング トップ5銘柄を対象

 

※売買を推奨する銘柄ではありません。

 

銘柄名:4751 : サイバーエージェント

 

ローソク足パターン名: 三川底
検証開始日: 2013年02月18日
検証終了日: 2023年05月12日
全ローソク足数(検証日数): 2500
買いシグナル発生件数: 4
売りシグナル発生件数: None

###ローソク足パターン決済日数毎の累計損益 単位:円 シミュレート単位株数:10株/回 #######
累計損益・エントリー当日終値決済: 574.0円
累計損益・エントリー翌日終値決済: 850.0円
累計損益・エントリー2日後終値決済: 2089.0円
累計損益・エントリー3日後終値決済: 1596.0円
累計損益・エントリー4日後終値決済: 2192.0円
累計損益・エントリー5日後終値決済: 2576.0円
累計損益・エントリー10日後終値決済: 2716.0円

###ローソク足パターン決済日数毎の累計損益率 単位:円 シミュレート単位株数:10株/回 #######
###算出方法は簡易的に,損益/(ローソク足のパターンフラグ発生日の終値の平均X10)とする。####
ローソク足のパターンフラグ発生日の終値の平均: 711.4
ローソク足シグナル発生総回数: 4
損益率・エントリー当日終値決済: 8.1%
損益率・エントリー翌日終値決済: 11.9%
損益率・エントリー2日後終値決済: 29.4%
損益率・エントリー3日後終値決済: 22.4%
損益率・エントリー4日後終値決済: 30.8%
損益率・エントリー5日後終値決済: 36.2%
損益率・エントリー10日後終値決済: 38.2%

### 決済日数毎の勝ち回数 / 総トレード数 #######
勝ち回数・エントリー当日後終値決済/総トレード数: 4 / 4
勝ち回数・エントリー翌日後終値決済/総トレード数: 3 / 4
勝ち回数・エントリー2日後終値決済/総トレード数: 4 / 4
勝ち回数・エントリー3日後終値決済/総トレード数: 4 / 4
勝ち回数・エントリー4日後終値決済/総トレード数: 3 / 4
勝ち回数・エントリー5日後終値決済/総トレード数: 3 / 4
勝ち回数・エントリー2日後終値決済/総トレード数: 3 / 4

###### 決済日数毎の勝率 #######
勝率・エントリー当日後終値決済: 100.0%
勝率・エントリー翌日後終値決済: 75.0%
勝率・エントリー2日後終値決済: 100.0%
勝率・エントリー3日後終値決済: 100.0%
勝率・エントリー4日後終値決済: 75.0%
勝率・エントリー5日後終値決済: 75.0%
勝率・エントリー10日後終値決済: 75.0%

 

銘柄名: 7003 : 三井E&Sホールディングス

 

ローソク足パターン名: 三川底
検証開始日: 2013年02月18日
検証終了日: 2023年05月12日
全ローソク足数(検証日数): 2500
買いシグナル発生件数: 4
売りシグナル発生件数: None

###ローソク足パターン決済日数毎の累計損益 単位:円 シミュレート単位株数:10株/回 #######
累計損益・エントリー当日終値決済: 140.0円
累計損益・エントリー翌日終値決済: 660.0円
累計損益・エントリー2日後終値決済: 1340.0円
累計損益・エントリー3日後終値決済: 1700.0円
累計損益・エントリー4日後終値決済: 2000.0円
累計損益・エントリー5日後終値決済: 2570.0円
累計損益・エントリー10日後終値決済: 1660.0円

###ローソク足パターン決済日数毎の累計損益率 単位:円 シミュレート単位株数:10株/回 #######
###算出方法は簡易的に,損益/(ローソク足のパターンフラグ発生日の終値の平均X10)とする。####
ローソク足のパターンフラグ発生日の終値の平均: 1000.2
ローソク足シグナル発生総回数: 4
損益率・エントリー当日終値決済: 1.4%
損益率・エントリー翌日終値決済: 6.6%
損益率・エントリー2日後終値決済: 13.4%
損益率・エントリー3日後終値決済: 17.0%
損益率・エントリー4日後終値決済: 20.0%
損益率・エントリー5日後終値決済: 25.7%
損益率・エントリー10日後終値決済: 16.6%

### 決済日数毎の勝ち回数 / 総トレード数 #######
勝ち回数・エントリー当日後終値決済/総トレード数: 3 / 4
勝ち回数・エントリー翌日後終値決済/総トレード数: 3 / 4
勝ち回数・エントリー2日後終値決済/総トレード数: 4 / 4
勝ち回数・エントリー3日後終値決済/総トレード数: 3 / 4
勝ち回数・エントリー4日後終値決済/総トレード数: 4 / 4
勝ち回数・エントリー5日後終値決済/総トレード数: 4 / 4
勝ち回数・エントリー2日後終値決済/総トレード数: 3 / 4

###### 決済日数毎の勝率 #######
勝率・エントリー当日後終値決済: 75.0%
勝率・エントリー翌日後終値決済: 75.0%
勝率・エントリー2日後終値決済: 100.0%
勝率・エントリー3日後終値決済: 75.0%
勝率・エントリー4日後終値決済: 100.0%
勝率・エントリー5日後終値決済: 100.0%
勝率・エントリー10日後終値決済: 75.0%

 

銘柄名:4911 : 資生堂

 

ローソク足パターン名: 三川底
検証開始日: 2013年02月18日
検証終了日: 2023年05月12日
全ローソク足数(検証日数): 2500
買いシグナル発生件数: 4
売りシグナル発生件数: None

###ローソク足パターン決済日数毎の累計損益 単位:円 シミュレート単位株数:10株/回 #######
累計損益・エントリー当日終値決済: 925.0円
累計損益・エントリー翌日終値決済: 2360.0円
累計損益・エントリー2日後終値決済: 5625.0円
累計損益・エントリー3日後終値決済: 10035.0円
累計損益・エントリー4日後終値決済: 7580.0円
累計損益・エントリー5日後終値決済: 9405.0円
累計損益・エントリー10日後終値決済: 6300.0円

###ローソク足パターン決済日数毎の累計損益率 単位:円 シミュレート単位株数:10株/回 #######
###算出方法は簡易的に,損益/(ローソク足のパターンフラグ発生日の終値の平均X10)とする。####
ローソク足のパターンフラグ発生日の終値の平均: 4782.2
ローソク足シグナル発生総回数: 4
損益率・エントリー当日終値決済: 1.9%
損益率・エントリー翌日終値決済: 4.9%
損益率・エントリー2日後終値決済: 11.8%
損益率・エントリー3日後終値決済: 21.0%
損益率・エントリー4日後終値決済: 15.9%
損益率・エントリー5日後終値決済: 19.7%
損益率・エントリー10日後終値決済: 13.2%

### 決済日数毎の勝ち回数 / 総トレード数 #######
勝ち回数・エントリー当日後終値決済/総トレード数: 2 / 4
勝ち回数・エントリー翌日後終値決済/総トレード数: 3 / 4
勝ち回数・エントリー2日後終値決済/総トレード数: 3 / 4
勝ち回数・エントリー3日後終値決済/総トレード数: 3 / 4
勝ち回数・エントリー4日後終値決済/総トレード数: 3 / 4
勝ち回数・エントリー5日後終値決済/総トレード数: 3 / 4
勝ち回数・エントリー2日後終値決済/総トレード数: 3 / 4

###### 決済日数毎の勝率 #######
勝率・エントリー当日後終値決済: 50.0%
勝率・エントリー翌日後終値決済: 75.0%
勝率・エントリー2日後終値決済: 75.0%
勝率・エントリー3日後終値決済: 75.0%
勝率・エントリー4日後終値決済: 75.0%
勝率・エントリー5日後終値決済: 75.0%
勝率・エントリー10日後終値決済: 75.0%

 

ローソク足パターンTA-Libが判断する「三川(さんせん)」シミュレート概要

 

日経平均採用225銘柄に対する、シミュレートの概要をまとめました。

上で紹介した「損益率ランキング トップ5 損益シミュレート詳細」は、文字通り「損益率が高かった銘柄だけ」をピックアップしています。

深呼吸して、冷静になって結果をご覧下さい。

コメントは、あくまでもブログ管理者の感想です。

 

売買シグナル発生件数(ヒストグラム)

 

約10年間の検証期間に対しての、シグナル発生件数です。

TA-Libが判断する「三川(さんせん)」は、買いのシグナルを発生させます。

発生件数は全銘柄に対して少ないです。

 

 

決済条件毎の損益率(箱ひげ図)

 

決済条件毎の損益率です。

真ん中のゼロを境に、上が利益が出ている範囲、下が損失が出ている範囲。

 

1番左が、シグナル発生の翌日の始値でエントリーして、終値で決済したパターン。

1番右が、シグナル発生の翌日の始値でエントリーして、10日後の終値で決済したパターン。

 

全般に損益率の中央値はゼロ付近です。

 

決済条件毎の勝率(箱ひげ図)

 

決済条件毎の勝率です。

真ん中の50%ゼロを境に、上が利益50%超える範囲、下が50%を下回る範囲。

 

私は「勝率にこだわり過ぎてはいけない」と考えています。

ただし、勝率が極端に悪いと投資戦略として活用する場合のリスクが増大します。

 

全決済条件で勝率の中央値は50%付近です。

 

まとめ

 

ローソク足パターン TA-Libが判断する「三川(さんせん)」 で利益が出るのかを検証しました。

AI開発にも使用されるプログラム言語Pythonと、金融取引のテクニカル分析をしてくれるライブラリー、TA-Libを活用しています。

 

記事の冒頭でも解説しましたが、下記の通りの条件で検証したことをご了承ください。

※注意事項

一般的に認知されている酒田五法の「三川(さんせん)」TA-Libが判断する「三川(さんせん)」大きな違いがあります。

酒田五法の「三川(さんせん)」の検証では無くTA-Libが判断する「三川(さんせん)」の検証をしています。

 

損益率と勝率をみて、どのように思いましたか?

「使って見ようかな?」それとも「損益率や勝率の中央値もゼロ付近だから意味が無い!」

 

社会科学的な判断基準が、そのまま投資戦略に適応出来ないのが難しいところです。

統計的にあり得ないと判断される現象も時折発生して、有名なファンドが破綻するなんて話もよく耳にします。

 

私は、投資戦略のシミュレートをしていて、損益曲線が一方的に下がっている戦略を見つけたらラッキーだと思います。

売りと買いの仕掛けを逆にすれば、損益曲線が逆になるからです。

 

先述したように、このブログ記事ではPythonライブラリーTA-Libのシグナルをそのまま使ってシミュレートしています。

TA-Libのシグナル発生判断と、私の判断と異なる部分もありましたがTA-Libのシグナルを優先しました。

※C言語で書かれたTA-Libのソースコードを読み込む気力がありませんでした。

 

そして、重要な事。

私はこの投資手法を、実際のシステムトレードに組み込んでいません。

 

株式投資初心者に繰り返しアドバイスしていること。

「投資手法を確かめてから実践してほしい」

このブログで、確かめ方の一例を紹介させていただいたつもりです。

 

プログラムコードは、このブログ記事作成のために新たに書きおこしました。

紹介用なので、「正しく分析できているか?」の検証は不十分です。

 

おかしな点があれば、ご指摘ください。

 

最後にお決まりの一言。

投資は自己判断でお願いします。

 

 

この記事を書いた人

 

あしおゆたか

株式投資歴22年のシステムトレーダー(←主な取引手法)

机上の理論ではなく、実体験に基づいた記事作りをモットーにしています。

スポーツクラブに毎週2日~3日通い、サウナ後の暴飲暴食が趣味。

◇主な投資対象
日本株式
株式ETF(上場投資信託)
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