マネックス証券の投資ツール「トレードステーション」で、複数の銘柄を見渡す(俯瞰)には、「レーダースクリーン(銘柄ボード)」が便利です。
そのレーダースクリーン(銘柄ボード)に、オリジナルのインジケーターを表示出来たら良いと思いませんか?
こちらが「レーダースクリーン(銘柄ボード)」の表示例です。
今回は、レーダースクリーン(銘柄ボード)用のインジケータを作ります。
株式投資をするうえで、現在最強のトレードツールは マネックス証券の トレードステーション です。(個人評価)
その、トレードステーションを自由自在に操るには、イージーランゲージ[EasyLanguage]の知識が必要です。
イージーランゲージ[EasyLanguage]?
※すぐに実習(解説)記事に進みたい方は、このページ最初の 目次 3.<実習…> をクリックしてください。
イージーランゲージ[EasyLanguage]はプログラム言語
プログラム言語!? 「そんなの出来るはずない」 「聞いただけで鳥肌が立つ」と思う方が大半ですよね。
EasyLanguageとは?
トレードステーション上のほぼ全てのアクションは、EasyLanguageという独自の言語で構成されます。”Easy”と名付けられている通り、初歩的な英文で記述される非常にシンプルなプログラム言語になります。
例えば、移動平均線がゴールデンクロスした場合に買い注文を出すプログラムは、以下の一文で済むほどシンプルです。
”If FastAvg crosses over SlowAvg then Buy next bar at market ”
出所:https://info.monex.co.jp/tradestation/features/other/ マネックス証券の機能紹介ページ
簡単なんです。だって”Easy”って名前だから。。。。
イージーランゲージ[EasyLanguage]を学ぶには
簡単と言っても、EasyLanguageはプログラム言語です。
しっかり学びたい方におすすめなのが、マネックス証券の公開しているマニュアル
EasyLanguage ホームスタディコース(ガイドブック) です。
https://info.monex.co.jp/tradestation-support/manual.html#01; こちらのページでもらえます。
このブログでは、「EasyLanguage ホームスタディコース」の演習問題を実際に操作しながら解いてゆく、過程を紹介したいと思います。
練習問題: *31 ローソク足の実体の平均
◇学習の目的: レーダースクリーン用のインジケーターを書く。
◇詳細: 足の実体の平均値に応じて強気と弱気という文字列をセルに表示します。同時に 実体の平均値もセルに表示します。
セルの背景色は実体の平均値に応じてグラデーションするようにします。
この練習問題は、過去に学習したローソク足の実体の平均を計算するプログラムを応用します。
ローソク足の実体の平均を計算するプログラムは、下のページで学習しましたので、復習することをオススメします。
イージーランゲージ[EasyLanguage]で関数がますます好きになる。 トレードステーションとイージーランゲージ[EasyLanguage]を学んで、株式投資で差をつける。10
EasyLanguage開発環境(エディタ)にコードを書き込みます
※EasyLanguage開発環境を起動させる方法は、この連載1のページ中頃をご覧ください。
プログラムコードを書いて見ましょう。
#31 Real Body Avg RS という名前で新規にインジケーターを作成します。
ファイル名は #31 Real Body Avg RS という名前で新規にインジケーターを作成します。
Easy Language開発環境を開き、 ファイル ー 新規作成 ー インジケーター で新規インジケーターを作成します。
エディターの準備が出来たら、下のプログラムコードを打ち込んでください。
(コードをコピーして貼り付けてもOK)
プログラムコードの中身はこちら===
Input: Length(10);
Vars: RB(0), AvgRB(0), Direction(“”);
RB = Close – Open;
AvgRB = Average(RB, Length);
Condition1 = AvgRB > 0;
If Condition1 then Direction = “強気”
else Direction = “弱気”;
Plot1(Direction, “方向”); Plot2(AvgRB, “実体平均”);
SetPlotBGColor(1,GradientColor(AvgRB,-.015,.015, red, green));
SetPlotBGColor(2, GradientColor(AvgRB,-.015,.015,red, green));
プログラムコードここまで===
貼り付けまたは、書き込みが終わったら、プログラムコードに間違いが無いか、チエックするボタンを押して確認します。(いつものやつですね)
0エラー、0警告ならOK。
誤りがあれば修正し、チエックするボタンを再度押します。
プログラムコードの意味
Input: Length(10);
インプット宣言文で初期値を指定して宣言しています。
インプット名が Length 初期値は 10
移動平均線の足数を設定するインプットです。
Vars: RB(0), AvgRB(0), Direction(“”);
変数宣言文で初期値を指定して宣言しています。
変数名が RB 初期値は 0 です。
変数名が AvgRB 初期値は 0 です。
文字列変数名が Direction 初期値は ”空白” です。
RB は ローソク足の実体(終値ー始値)を格納する変数。
AvgRB は ローソク足の実体(始値ー終値)の平均値を格納する変数。
Direction 文字列変数は変数宣言文で Direction (“”)のように 2重引用符で宣言さ れることによって、文字列を格納することができるようになっています。
これはDirection 変数は文字列変数だということをトレードステーションに伝えています。
出所:Easy Languageホームスタディコース P111
RB = Close – Open;
終値 から 始値 を引いて、 変数 RB に 数値を格納しています。
AvgRB = Average(RB, Length);
Average関数を使って平均値を 変数 AvgRB に 数値を格納しています。
平均値を求めるの足数(Length)は、
インプット宣言文で初期値を指定して宣言しましたね。
インプット名が Length 初期値は 10 です。
( ,Length) です。
Condition1 = AvgRB > 0;
Condition1 は Easy Languageのリザーブワードです。
Condition1-99 (Reserved Word)
この予約語は、計算や式からの真偽条件の格納に使用できる EasyLanguage の事前宣言済み変数を参照します。
変数は、後でコード内で参照できるよう、別の条件また計算から割り当てられた格納された真偽値を表す名前です。EasyLanguage では、条件変数は真偽値を持つストレージコンテナとみなすことができます。
EasyLanguageでは、100個の事前宣言済みの数値変数(Value0からValue 99)および100個の事前宣言済みの真/偽変数 (Condition0からCondition99)が提供されます。
出所:Easy Language ヘルプ
If Condition1 then Direction = “強気” else Direction = “弱気”;
Condition1 = AvgRB > 0;
上の条件が 真 であれば、( AvgRB の値が ゼロ よりも大きい)
文字列変数の Direction に 強気 を 格納します。
この条件が 偽 であれば、( AvgRB の値が ゼロ よりも小さい)
文字列変数の Direction に 弱気 を 格納します。
Plot1(Direction, “方向”);
上の条件式で Direction に格納した 文字列を プロット(表示)します。
”方向” は プロットの名前です。
Plot2(AvgRB, “実体平均”);
変数 AvgRB に格納した 数値を プロット(表示)します。
”実体平均” は プロットの名前です。
SetPlotBGColor(1,GradientColor(AvgRB,-.015,.015, red, green));
プロット文のセルの背景色は AvgRB 変数の値に応じてグラデーションし、負の値 では赤色、正の値では緑色が強くなります。
つまり AvgRB 変数の値が“強気”か“弱気”にあるかに応じて赤と緑色の陰影の度合いが微妙に変化します。
出所:Easy Languageホームスタディコース P111
SetPlotBGColor(2, GradientColor(AvgRB,-.015,.015,red, green));
説明は同上
レーダースクリーン専用の設定
Easy Languageのプログラムコードは以上で完了です。
レーダースクリーンに、適応するには専用の設定が必要になります。
Easy Languageエディターウインドウ内で マウスを右クリック 「プロパティ」 を選択します。
「一般タブ」 の 「累積計算のため追加データをロード」 に チエックを入れます。
そして、 ロードする追加バー の値を 20 に変更してください。 まだOKボタンは押しません。
続いて、 「グリッドのスタイル」 タブを選択します。
「プロット」 実体平均 の 「カテゴリー」を 数字へ 「小数点」は 3 に変更します。
これで、実体の平均(変数AvgRBに格納した数値)を、小数点3位までの数値で表示する事ができます。
設定が完了したら 「OK」 ボタンを押します。
レーダースクリーンに表示させる
さぁ、いよいよレーダースクリーンに表示させましょう。
手順は、チャートにインジケーターを表示させるのと、ほぼ同じです。
レーダースクリーン上で マウスを右クリック し 「分析テクニックを挿入」 を選択します。
今回作成した #31 Real Body Avg RS を選び 追加します。
現在値の右隣に表示されているのが、 今回作成したインジケーターによって表示された 「強気」または「弱気」そして「実体平均値」です。
どうでしょうか。
トレードする銘柄選びに、大活躍しそうです。
今回はコレで終了します。
お疲れ様でした。
次の記事はこちらからどうぞ。
日中足の最高値と最安値をチャートに描画する。デイトレーダー必修!? トレードステーションとイージーランゲージ[EasyLanguage]を学び、株式投資で差をつける。31
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この記事を書いた人
ゆたかドットらいふ編集部
あしおゆたか
投資歴20年の個人投資家
机上の理論ではなく、実体験に基づいた記事作りをモットーにしています。
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