更新日: 2020年2月15日 午後5時04分

◇この記事は毎週末に定期配信しています。

※最新のチャートは、記事上部の目次から進んで下さい。 [サポート アンド レジスタンス(毎週更新)]です。

 

このページをご覧になっているあなたは、株式投資を始めているか、もしくは株式投資に興味をお持ちだと思います。

 

株式投資にもいろいろなスタイルがありますね。

たとえば、

  1. 長期間保有して、配当や株主優待を得る
  2. 株価が安いときに購入して、値上がりしたら売却して利益を得る
  3. 「お金が余って仕方が無いから、とりあえず株でも買っておこう」

3番目のような、うらやましい環境の方以外は、「将来の値動きを予想したい」そう思っているでしょう。

 

では、どうやって予想しましょうか?

  1. 証券アナリストのレポートを読む
  2. 株価チャートの分析をする
  3. 占い師さんに相談する

 

私が株式投資を始めた頃は、株を買うには証券会社の窓口に出向くか、電話で証券会社の担当者経由で注文を繋いで貰う時代でした。

株価チャートは、四季報に掲載されている小さいチャートを見るか、チャートが掲載された書籍を購入していた方が大半です。

 

今では、誰もがリアルタイム株価のチャートを見ることが出来ます。

証券会社が提供している、投資ツールを使って高度なテクニカル分析も簡単に出来ます。

なんて便利な世の中になったのでしょう。

 

きっと、株価の予測精度が上がって多くの株長者が生まれている事でしょう・・・・・

 

皆さん儲かっていますよね?

 

ところが・・・・

 

残念なことに私が調べた範囲では、今も昔も9割の人が株式投資で損失を出しているようです。

ご興味があれば、こちらの記事をご覧ください。

ついに事実判明! 株式投資をしている何割の人が損をしているか? [株式投資で勝つ確率]

 

日経平均株価は過去の値動きに縛られている

 

いくら、リアルタイム株価のチャートが見られるようになっても、ただチャートの上下を眺めていてはいけません。

 

ただ眺めているだけでは、NHKの人気キャラクター チコちゃん に叱られますよ!

「ボーっと生きてんじゃねぇよ!」 ってね。(*^_^*)

 

下のチャートは、バブル期以前から今までの日経平均株価です。(2020年1月24日までの終値)

※上のチャートはマネックス証券トレードステーションで表示させた長期の日経平均株価です。
ただし、長期間の株価データーはこちらのサイトから取得しました。 Nikkei 225 Index – 67 Year Historical Chart

トレードステーションに外部データーを取り込む方法に、ご興味があればこちらの記事をご覧ください。

トレードステーションに、外部データ(CSV)を取り込んでチャートに表示させる方法。[日経平均株価全期間データ取得方法]

 

ではチコちゃんに怒られないためには、どのようにチャートを見ればよいのでしょうか。

 

さまざまな見方がありますが、このブログ記事では人間の心理に着目します。

 

 

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チャートの裏にある人間ドラマ

 

株価チャートは文字通り、売買された株価の値動きを描いたものです。

誰かが買った株の値段をグラフにしたもの。

 

誰かが買って、誰かが売った。

 

株価売却益で笑顔の人もいれば、大きな損失をだして人生の窮地に立たされた人も居るでしょう。

 

チャートの裏には、必ず人間がいるのです。

 

チャートを過去にさかのぼって、当時の人の心理を想像してみましょう。

 

株を買ったつもりで、投資家心理を想像する

 

当時に自分が株を買ったと思ってリアルに想像してみましょう

 

今あなたは、2000年4月に居ます。

 

パソコンの画面には、このようなチャートが描かれています。

「これからもう一段株価は上がりそうだな」

 

そう思ったあなたは、株を購入しました。

購入価格は 20,337円 X 100株 = 2,033,700円

 

 

 

2000年10月

購入後しばらくすると、株価は下落をはじめます。

現在値 購入価格 保有株数 損益
2000年4月  ¥20,337  ¥20,337 100  ¥-
2000年10月  ¥15,747  ¥20,337 100  ¥-459,000

多少下がることだってあります。 まだガマンしてホールドです。

 

 

2001年4月

 

株を購入して1年が経過しました。

思いとは逆に、株価は値下がりを続けます。

 

「もう株価は見たくない」そんな気分ですね。

 

株を購入した時点では、短気的な売買を想定していましたが、いつの間にか長期ホールドに方針転換です。

「大丈夫。きっと株価は上がるから」そんな根拠のない予想(願望)が頭を支配しています。

現在値 購入価格 保有株数 損益
2000年4月  ¥20,337  ¥20,337 100  ¥-
2000年10月  ¥15,747  ¥20,337 100  ¥-459,000
2001年4月 ¥12,999  ¥20,337 100  ¥-733,800

 

2003年5月

 

ついに株価は7千円台に突入しました。

いつの間にやら、株を持っていることすら、忘れようとしている自分がいます。

きっと現実逃避をしているのでしょう。

現在値 購入価格 保有株数 損益
2000年4月  ¥20,337  ¥20,337 100  ¥-
2000年10月  ¥15,747  ¥20,337 100  ¥-459,000
2001年4月 ¥12,999  ¥20,337 100  ¥-733,800
2003年5月 ¥7,863  ¥20,337 100  ¥-1,247,400

 

2015年6月

 

株を購入して15年の年月が過ぎました。

 

株価が購入価格を上周り、含み益が出ています。

「ほらね。俺の予想したとおりに株価が上がった」つい飲み屋さんで自慢をしたくなります。

「ここまで待ったんだから、もう少し値上がりするのを待とう」そう思い、売却はせずにホールドする事にしました。

現在値 購入価格 保有株数 損益
2000年4月  ¥20,337  ¥20,337 100  ¥-
2000年10月  ¥15,747  ¥20,337 100  ¥-459,000
2001年4月 ¥12,999  ¥20,337 100  ¥-733,800
2003年5月 ¥7,863  ¥20,337 100  ¥-1,247,400
2015年6月 ¥20,569  ¥20,337 100  ¥23,200

 

2015年8月

 

値上がりを待っていましたが、一時的にマイナス圏に入ったこともあり、購入価格と同値で指し値を入れて手仕舞いました。

15年以上持ち続けた株でしたが、その後再び株価は下落したので、ラッキーでした。(そう思うことにしました)

現在値 購入価格 保有株数 損益
2000年4月  ¥20,337  ¥20,337 100  ¥-
2000年10月  ¥15,747  ¥20,337 100  ¥-459,000
2001年4月 ¥12,999  ¥20,337 100  ¥-733,800
2003年5月 ¥7,863  ¥20,337 100  ¥-1,247,400
2015年6月 ¥20,569  ¥20,337 100  ¥23,200
2015年8月  ¥20,337  ¥20,337 100  ¥-

 

どうでしたか。

自分のことのように、想像出来たでしょうか?

 

ここまで、過去の値動きとその時の投資家の心理状態を想像しました。

このような人達が現実に沢山存在するのです。

 

ダブルトップと投資家心理

 

同値で売却した後に株価は下落しました。

このときのチャートは、ローマ字のMの形を作り、ダブルトップと呼ばれます。

 

トレンドの転換点と言われますが、投資家心理の観点から見ても理にかなっていると思いませんか?

人間の脳は得られたはずの利益を失う事に強い恐怖心を感じます。

恐怖による売りが売りを呼んで、大きく値を下げる要因になります。

 

サポートライン・レジスタンスラインの出来る理由

 

株を購入する人の大半は、値上がり益を期待しています。

しつこいようですが、株価チャートが描かれる裏には人間がいるのです。

 

自分が買った株価を基準にして、売り時を決めますから過去の価格がこれからの値動きに影響を与えて当然ですよね。

 

過去のポイントとなる価格帯が、サポートラインやレジスタンスラインとして機能するのはこのためです。

 

今後は株取引の主体はAIによるシステムトレードとなりますが、売却益を得る目的は変わりませんので、購入時の価格が指標になる事に変わりはありません。

 

なお、価格帯別の出来高を知る事も重要ですが、今回の記事では説明を省略します。

 

サポートライン・レジスタンスラインを描いてみる

 

長期間の日経平均株価チャートにサポートライン・レジスタンスラインを描いてみましょう。

下のローソク足は月次です。(ローソク足の描画期間は2020年1月24日まで)

 

パープルライン

 

パープルライン:2015年5月30日の高値 今のレンジに入る前の高値。(2017年10月31日に突破された)

 

スカイブルーライン

 

スカイブルーライン:1991年7月31日の高値 バブル崩壊後の高値2(オレンジラインの次の高値)と感じている価格。 24,322円 (2018年10月31日に突破された)

直近の株価のレンジが見えてきました。

 

すべてのサポートライン・レジスタンスライン

 

私が1年以上使用している、サポートライン・レジスタンスラインは以下です。

 

スカイブルーライン:1991年7月31日の高値 バブル崩壊後の高値2(オレンジラインの次の高値と感じている価格)。 24,322円 (2018年10月31日に突破された)

グリーンライン:2017年11月から 意識されているレジスタンスライン。 23,000円(2017年11月30日に突破された)

オレンジライン:1996年6月28日の高値 私が、真のバブル崩壊後の高値と感じている価格。 22,750円(2017年11月30日に突破された)

イエローライン:1994年5月31日の高値 バブル崩壊以降意識されてきたレジスタンスライン(上値抵抗線)。 21,049円(2017年10月31日に突破された)

パープルライン:2015年5月30日の高値 今のレンジに入る前の高値。 21,049円(2017年10月31日に突破された)

グレーライン:多くの人々に強く意識されている2万円のライン(2017年10月31日に突破された)

直近の2年は、このラインを意識した値動きとなっている事がわかります。

このように、日経平均株価は過去の値動きに縛られているのです。

 

えっ? どっちがサポートラインでどっちがレジスタンスラインかって?

 

両方とも価格に影響を与える価格帯です。

レジスタンスラインを超えて価格が上昇した場合は、その価格がサポートラインとなります。

 

つまり、現在値の下にあるラインが、サポートライン。

逆に、現在値の上にあるラインが、レジスタンスラインとして機能するのです。

 

ここまでは、バブル期以前の株価を含めた長期のチャートを見てきました。

次からは、より実用的に日足チャート週足チャートにも、サポートライン・レジスタンスラインを描きます。

 

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サポート アンド レジスタンス(毎週更新)

※チャートの更新日: 2020年2月15日 午後5時05分

 

ここから下のチャートは、週末毎に更新します。

今の日経平均株価の、相対的な位置(価格)を確認するのにご活用ください。

 

◇チャート1(日足 毎週更新)

 

下のチャートは日足チャートです。

週末の終値はスカイブルーライングリーンラインの中間です。

 

◇チャート2(週足 毎週更新)

 

下のチャートは週足チャートです。

より長期のローソク足チャートを見ると、値動きもまた違った物に見えます。

前の週の安値がオレンジラインで支えられているのが印象的です。

次の下落時の強いサポートラインになる事が予想されます。

 

 

◇チャート3(月足 毎週更新)

 

下のチャートは月足チャートです。

月足なので、極端な値動きがないとチャートに変化があわられにくいのですが、毎週更新しています。

 

まとめ

 

これからの株式トレードにおいて、AIの存在感がますます大きくなるのは、間違いありません。

値動きの統計的解釈を競っても、人間に勝ち目はないでしょう。

しかし、人間の感情をAIが理解するまでには、まだ多くの時間がかかると思います。

過去の株価チャートから、その時々に株を買った人の思いを感じ取れるのは、人間だけなのです。

あなたは、このアドバンテージをどのように活かしますか?

 

この記事は、毎週更新しています。

 

動画で解説

 

 

この記事を書いた人

ゆたかドットらいふ編集部

あしおゆたか

投資歴21年の個人投資家

机上の理論ではなく、実体験に基づいた記事作りをモットーにしています。

スポーツクラブに毎週2日~3日通い、サウナ後の暴飲暴食が趣味。

◇主な投資対象
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