株式投資でも、FXでもトレードする上で「損切り」はとても重要です。
選挙に当選した議員一年生のもっとも大切な仕事は「次の選挙に当選する事」だそうです。
有権者から見れば、「ちゃんと仕事してよ!」と思いますが、政治家として志しを全うするには、議員で居続けることがもっとも優先されることなのかも知れません。
あなたは個人投資家でしょうか?
投資家として、利益を得続けるのに一番大切なことは何だと思いますか?
少し考えて見てください。
色々思い浮かんだと思いますが、
もっとも大切なことのひとつに、
「資産を守り投資家であり続ける事」
これが、あげられます。
投資の世界はまさに弱肉強食で、投資家の9割以上が損失を出して、投資の世界から撤退しています。
政治家と同じように、志を全うするには、その場所に居続けることが絶対条件なのです。
自分の投資資産を守るためには、「損切りは絶対条件」なのです。
なぜ損切り出来ないか?
損切りが必要なのは分かっているはずです。
でも、最初に決めたとおりに損切りが出来ない。
損切りの逆指し値を入れているけど、逆指し値に近づいたら、
「ひょっとしたら今が底値で、反発するかも?」なんて、指し値を変更していませんか。
その買いを入れる前に、念入りに調査してベストなタイミングでエントリー出来た。
絶対の自信がある!
それにもかかわらず思惑と反対方向に値が動いているとき、
これから上がるのか、さらに下げるのか情報を集めますね。
人間の脳は、自分の考えに都合のよい情報を、より多く集めようとします。
ポジションを持っていない時には、絶対に下がると判断する場面でも、買いエントリーしている場合は、「上昇する」情報ばかりを集めます。
とくに、含み損がある場合はその傾向がさらに強くなるのです。
脳が苦痛を避けるように思考をコントロールしているのでしょう。
脳のクセ だと思うしかありません。
トレードに関しては、おせっかいなことをしてくれる、脳のクセにどうやって対抗すればよいのでしょうか。
いくつかその方法がありますが、今回はその中の一つをご紹介します。
勝ち続けるトレーダーは存在しない
ずっと勝ち続けるトレーダーは存在しません。
誰もが、損切りをしているのです。
「そんなことは知っている」
そうですよね。
では数字を見てみましょう。
勝率60%のトレード手法で連勝する確率
仮に勝率60%のトレード手法があったとします。
そのトレード手法で連勝する確率を計算してみましょう。
エクセルで計算してみました。
1回目のエントリーで勝てる確率は、もちろん 60% ですね。
ところが2回続けて勝てる確率は 36% に下がってしまいます。
3回続けて勝てる確率は 21% です。
想像してみましょう
必勝法を手にしたあなたは、意気揚々とエントリーします。
思惑通りに値が動き、利益を確定する事が出来ました。
よし! この調子だ!
気分は最高です。
次にエントリーしたときも、きっと利益がでると思っているはずです。
しかし、2回続けて勝てる確率は 36.0% です。
3回続けて勝てる確率は 21.6% まで下がってしまいます。
もちろん机上の計算ですから、実際のトレードでこの確率通りになるわけではありません。
ただ強調したいのは、
「負けトレードがあって当然」
「損切りは必然」
このことなのです。
これは当たり前のことですが、数字を使って説明する事により、理解が深まれば幸いです。
※確率の理解しづらい点ですが、2回続けて勝てる確率は 36.0% でも、1回毎の勝つ確率は60%のままです。
連勝3回目も、100回目も1回毎の勝率は60%で変わりません。 連続して勝つ確率だけが変動します。
どんなすぐれたトレーダーでも、勝ち続けることはありません。
あなただけが、まだこの世の中に存在していない、
神様に選ばれた「無敗トレーダー」で無い限り。
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勝率60%のトレード手法で連敗する確率
出来れば避けたい 連敗。
連敗の確率も計算してみましょう。
1回目のエントリーで負ける確率は、
勝率が 60% ですから、
負ける確率 40% ですね。
2回続けて負ける確率は 16.0% です。
たった 16.0% と思いますか?
16.0% は 10回トレードしたら 1回か2回 遭遇するのです。
勝率 60%のトレード手法でも、 この程度の連敗はあって当然なのです。
エクセルで計算する
せっかくなので、今回の記事で使ったエクセルで確率を計算する方法を紹介します。
勝率60%だと、感覚的にわかりにくいので、 勝率50%を例にします。
勝率 50%は 勝ち負けそれそれ 50%なので、 2分の1の確率です。
2回連続の場合は 2分の1 X 2分の1 なので 4分の1の確率。
3回連続の場合は 2分の1 X 2分の1 X 2分の1 なので 8分の1の確率。
エクセルの計算式はこちらです。
=(50/100)^B5
カッコ内の 50/100 は 確率50%(100回中50回)
” ^ ” 読み方は「キャレット」とか「ハット」と呼ばれます。
べき乗 をあらわす演算子です。
「=3^2」は、「3の2乗」の意味です。
^B5 は B5セルの数値が入りますので、 ^1 となり、
=(50/100)^1 の計算結果が表示されます。
B6の =(50/100)^B5 を C6からH6にコピーすれば、できあがり。
まとめ
損切りは 頭で分かっていても、なかなか出来ないものです。
脳のクセが絡んでいるのですから。
しかし、損切りをする勇気が無ければ、投資の世界で長く生き残ることは出来ません。
損切りは、当たり前のこと。
1回1回のトレードの勝敗にこだわる方がナンセンス。
「また損切りかぁ」でも、「確率的に○△%に起こるんだから当たり前」
そう思って頂ければ、今回の記事を書いたかいがあります。