株式投資や、FX取引をする際に、ほとんどの方はチャートを見ると思います。
トレードツールで表示されるチャートの多くは、移動平均線も同時に表示されていますね。
この移動平均線の傾きを、自動で見分ける方法をご紹介します。
「移動平均線の傾きなんて、目で見れば分かるよ!」
その通りです。
しかし、手書きでチャートを描いている方を除いて、自動でチャートを表示させている方は注意が必要です。
多くの方は、移動平均線が「上向き」なのか「下向き」なのかを目で見て判断されているはずです。
工夫したとしても、補助線を描く程度ではないでしょうか?
じつは、移動平均線の向きを目で見て判断するのは、とてもリスクの高いことなのです。
その理由をブログ記事にまとめましたので、ご興味があればご覧ください。
移動平均線が上向きなのか、下向きなのか、横ばいなのか?
目で見て判断するとのリスクが高いと言われたって、「それなら、どうすれば良いんだ!!」と思われたでしょう。
私もそう思ったひとりです。
移動平均線の傾きをトレードステーションに判断させよう
私の使用しているトレードツールは、マネックス証券のトレードステーションです。
トレードステーションはカスタマイズの自由度が高く、独自のインジケーターを作成したり、日本株式の自動売買にも対応しています。
トレードステーションに、自分の指定した条件(パラメータ)を登録してしまえば、後は自動でチャートに傾きを表示してくれるのです。
このような感じに!!
このチャートは、移動平均線の傾きを色分けして表示しています。
25日移動平均線が、
- 上向きの時は「ピンク色」
- 下向きの時は「薄い青色」
- 横ばいの時は「濃い青色」
このように表示させています。
上向き・下向き・横ばい を トレードステーションに教えるには、どのようにすれば良いでしょうか?
人間なら、「こんな感じに上に向いているときは、上向きとしよう」なんて指示をすれば良いのでしょうが、トレードステーションは機械です。
ファジーな指示では理解してくれません。
読売ジャイアンツ終身名誉監督である 長嶋茂雄 さんのように、
「グッと来たときが 上向き」 で、 「シュッとしたときが横ばい」 なんて指示しても、ダメなんです。
上向き・下向き・横ばい をしっかり定義する必要があります。
移動平均線の傾きを求めるには
移動平均線の向きを判断するのですから、「角度・傾き」を基準にしましょう。
参考にさせて頂いたサイト様
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1426828029
http://system-trading.jp/swingwaver/index.php?ID=18
移動平均線の傾きを算出する方法
昨日から今日の傾き(単位 円/日)
(今日の移動平均値-前日の移動平均値)÷13日間の傾き
(今日の移動平均値-2日前の移動平均値)÷3
出所:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1426828029
Easy Languageでプログラム
※トレードステーションは、Easy Language(イージーランゲージ)という専用言語でプログラムを作成すると、独自のインジケーターが作成できます。
プログラムコードはこちら
プログラムの説明
3日間の傾きはこのように定義しました。
(今日の移動平均値-2日前の移動平均値)÷3
<上のプログラムコードを抜粋して説明>
MA_days (25), //描画する移動平均線の足数を指定
Adays (3), //上昇下降を判断する期日を指定
MA = Average(Close,MA_days);
//25日間 終値の平均値 を MAに代入
NowAngle= Arctangent( (MA-MA[Adays-1])/Adays );
//(今日の移動平均値-2日前の移動平均値)÷3 これを
// Arctangent 関数で角度を算出
Arctangent関数について、もう少しだけ説明します。
Arctangent関数
わからない関数が出てきたら?
右クリックで簡単にヘルプを見る事が出来ます。
Easy Language開発環境(エディタ)上で、調べたい単語の上にカーソルを置いて、右クリック。
そして、 の定義(D)***** を 選びます。 (*****は調べたい単語)
指定した (Num) の逆正接値 (角度) を返します。
ArcTangent(Num)
どうやら三角関数のアークタンジェントのようです。
高校で習った?やつです。
せっかくなので、三角関数をおさらいしてみましょう。
三角関数のおさらい(タンジェント)
角度θが45度ならば、 a辺 と b辺は同じ長さなので
b÷a = 1
tan45° = 1
になります。
アークタンジェントはこの三角関数の数値から逆に角度を算出します。
なので、Easy Languageのヘルプに書いてあるように
ArcTangent(1) は 45 の値を返します。
これは タンジェント1 の 角度が 45度 だからです。
どうでしょうか?
余計に??マークが増えてしまった方も多いと思いますが、
?の部分は思い切って無視してしまうのも一つの手です。
だって、移動平均線の傾きが分かれば良いのですから。
テレビの構造が分からなくたって、リモコンが使えれば、テレビを見られますから!
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プログラムコードのテキストはこちら
ここから=======
Input:
MA_days (25), //描画する移動平均線の足数を指定
Adays (3), //上昇下降を判断する期日を指定
Uptrend_angle (30), //上昇を判断する角度を指定
DWtrend_angle (-30); //下降を判断する角度を指定
vars:
MA (0), //移動平均の値を格納する変数(初期値0)
NowAngle (0); //現在の移動平均線の角度を格納する変数(初期値0)
MA = Average(Close,MA_days);
NowAngle= Arctangent( (MA-MA[Adays-1])/Adays );
If NowAngle > UPtrend_angle then
Plot1(MA,”MA”,Magenta )
Else If NowAngle < DWtrend_angle then
Plot1(MA,”MA”,Cyan )
Else
Plot1(MA,”MA”,blue );
ここまで=======
このテキストをご自分のEasy Language開発環境エディターに貼り付ければ、プログラムが動くはずです。
※ダブルクォーテーション ” がうまく張り付かない場合があるようです。 その場合はお手数ですが 半角 ” に修正してください。
パラメーターの調整
上のプログラムをチャートに反映させれば、25日移動平均線に上昇・下降・横ばいの色分けがされて表示されるはずです。
色分けが、ご自分のイメージと合わない場合は、
チャート上で右クリック 分析テクニックの設定 に進み 保存したプログラム名の設定 インジケーターの設定 から
パラメーターを調整することが出来ます。
色々と変更してみて、ご自分のイメージに合う値に設定してください。
上の値で日経平均株価に適応しました。
25日移動平均線が、
上向きの時は「ピンク色」
下向きの時は「薄い青色」
横ばいの時は「濃い青色」
トレードステーションでは、Easy Languageを使うことで、様々なカスタマイズが可能です。
今回の記事は、ある程度Easy Languageを触ったことがある方向けに書きました。
「まったく意味が分からん」と言う方にはこちらの記事をお勧めします。
徹底解説! 株初心者が完全無料でEasy Languageを学ぶ、1番の方法。 [マネックス証券Trade stationのイージーランゲージ・ホームスタディコースをやさしく解説]
お疲れ様でした。
動画を見るなら
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この記事を書いた人
ゆたかドットらいふ編集部
あしおゆたか
投資歴21年の個人投資家
机上の理論ではなく、実体験に基づいた記事作りをモットーにしています。
スポーツクラブに毎週2日~3日通い、サウナ後の暴飲暴食が趣味。
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