アメリカの株価が上がれば、翌日の日経平均株価も高値で寄り付く。 逆にアメリカの株価が下がれば安値で寄り付く。
「しょせん日本の株価なんて、アメリカの属国扱いで、アメリカの株価に振り回されているんだ!」
長く株式投資をされている方は、このような話を聞いたことがあると思います。
属国扱いされているかどうかは別として、NYの終値が日経平均株価へ影響を与えているのは間違いないでしょう。
日経225先物の夜間取引でも、NY証券取引所の取引が始まると、その値動きに反応した動きがあります。
でも、アメリカと日本は別の国ですし、値動きが完全に連動しているわけではありません。
前日のアメリカの株価の影響を受けて、日本株の寄り付きは本来の株価水準よりも「高くなったり」「安くなったり」しますが、時間の経過とともに本来あるべき株価水準に戻るのでは?
アメリカの代表的な株価指数 NYダウ平均 と 日経平均株価 との関係を見て、投資戦略を考えましょう。
マネックス証券の投資ツール トレードステーション を使って検証してみます。
NYダウ逆張り日経平均ETF投資戦略
<仮説>
○日経平均株価は寄り付きでは、アメリカの株価の影響を受ける
NYダウ平均が上げて終わった翌日の、日経平均株価は上げてはじまる。
NYダウ平均が下げて終わった翌日の、日経平均株価は下げてはじまる。
○NYダウ平均につられて、上げて始まった日経平均株価は元の水準に戻ろうとする
NYダウ平均上げにつられて、上げて始まった日経平均株価は、終値で元の水準に戻ろうとするため、始値よりも安く引ける。
NYダウ平均下げにつられて、下げて始まった日経平均株価は、終値で元の水準に戻ろうとするため、始値よりも高く引ける。
この投資戦略は歴史の古いもので、書籍にサンプルコードが掲載されていました。
参考文献: Easy Languageプログラミング入門 発行:スタンダーズ株式会社 著者:本郷喜千
※2018年11月25日現在、Easy Languageを最初に学ぶには最強の書籍だと思っています。
この Easy Languageプログラミング入門 を 購入すると出版社のサイトから、サンプルコードをダウンロードすることが出来ます。
※使用したサンプルコード は #6-9-11 dow です。
サンプルコードでは、「買い」エントリーのみのプログラムコードでしたので、一部のコードを追加しました。
書籍に記載されているサンプルコード全体は、著作権者の許可を得ていないので、このブログには掲載出来ませんが、私が追加したプログラムコード周辺はこちらです。
プログラムコード抜粋
//DOWの上昇下降を計算
dowsage = opendow > closedow;
dowage = opendow < closedow;
//売り買いエントリー
if marketposition(0) = 0 then begin
if dowsage then begin
if date[1]<>date[0] and time[0] >= 901 then
buy(“B-DOW”) next bar at market;
end;
if dowage then begin
if date[1]<>date[0] and time[0] >= 901 then
buy(“Short-DOW”) next bar at market;
end;
end;
//その日の最後の足で手仕舞い
SetExitOnClose;
サンプルコードでは、「買いエントリー」だけのプログラムでしたので、「売りエントリー」を追加しました。(青文字部分)
さらに、その日の引けで手仕舞いをする予約語 SetExitOnClose; を追加しています。
※SetExitOnClose; は実トレードでは引け値で手仕舞いする事はできません。 実質バックテスト専用と考えてください。
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チャートの準備
日経平均株価を直接売買することは出来ませんから、代わりに「日経225連動型上場投資信託」で検証します。
トレードステーションのチャートに、「日経225連動型上場投資信託」と「NYダウ平均株価」を表示させます。
手順はこの動画をご覧ください。(音は出ません)
足種の変更
1日で取引を完結させるデイトレード戦略を構築しますので、足種を変更します。
手順はこの動画をご覧ください。(音は出ません)
「日経225連動型上場投資信託」の足種は1分足。
「NYダウ平均株価」の足種は日足 に変更しました。
投資戦略の適応
チャートに投資戦略を適応します。
次の動画では、チャートに投資戦略を適応して、
結果を「ストラテジーパフォーマンスレポート」のチャートで確認しています。(音は出ません)
この投資戦略の結果はこちら。
結果は良くありません。
y軸の ゼロ の線が 損益プラスマイナス ゼロの位置なので、全体を通してマイナスを表しています。
上のパフォーマンスグラフは「売り」「買い」両方のエントリーを合わせて評価していますので、別々に見てみましょう。
こちらは、「売り」エントリーのみの結果です。
よよっ。 多少良くなりましたね。
では、「買い」エントリーのみの結果です。
まぁそうですよね。
気を取り直して、より長期間の成績を見てみましょう。
今見ているパフォーマンスグラフは適応したチャートのデーター範囲 「1年」の結果です。
チャートのデーター範囲を拡大して、より長期間の成績を見る事ができます。
このパフォーマンスグラフは 2011年6月30日~2018年9月7日 間のシミュレート結果です。
そうですかぁ。 長期間の成績も良くありませんね。
最後の望みで、長期間の「売り」エントリーのみの結果も見てみましょう。
やっぱり。 残念な感じです。
まとめ
残念ながら、このままでは「NYダウ逆張り日経平均ETF投資戦略で利益を得るのは難しい」と言わざるを得ません。
古典的な投資手法ですが、直近10年間のNYダウ平均と日経平均ETFには当てはまらないようです。
株のベテランに、投資方法を伝授されたら、トレードステーションで検証することをオススメします。
ただし、
パフォーマンスグラフの、カーブの上昇局面や下降局面で、2つの株価の動きに何があったのか?
これを調べると、新たな投資アイディアの発見につながるかも知れません。
お疲れ様でした。
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